ひのもとめぐる先生 インタビュー

ひのもとめぐる先生 インタビュー

プロフィール

2003年「ないしょのフォトグラフ」で漫画家デビュー(なかよし新人まんが賞準入選を/講談社刊なかよし増刊号掲載)

福岡県出身。うお座。A型。
ティーンズラブ漫画を中心に携帯・WEBコミックを多数発表。
元「まんが甲子園」出場ペン児。現在はOG審査員をつとめる。
代表作 「イケない課外授業」(白川愛理原作) 「高梨くんの半分はサドでできています」(すみれ原案) 「成形女子こはく―プラスチック工場物語―」シリーズ(大吉原作)

インタビュー日:2020年2月20日(IPP事務所にて)
インタビュアー:アイピープラットフォーム 菅 

IPP 管 今日はお忙しい中、インタビューのお時間をいただきましてありがとうございます。
マンガジャパンを陰で支えていると言っても過言ではない、ひのもと先生に今日は、貴重なお時間をいただきました。では、早速ですが、インタビューを始めさせていただきます。
最初に、まんがを描き始めたころのこと、ひのもと先生のデビュー作はいくつの時だったんでしょう?
ひのもと先生 いえいえ!よろしくお願いします。
2003年、19歳の時になかよし増刊号(講談社刊)に掲載された「ないしょのフォトグラフ」がデビュー作品になります。
専門学校日本デザイナー学院九州校 マンガ科の頃投稿した作品です。
小さいころからまんがを描いていて、小学5年生の時に2万円くらいする「まんが通信講座」を母親にねだったんですが、すぐにペンを紛失して、その後、なんとか見つかってほぼ独学で再開したのが、小学6年生くらいでした。
IPP 管 東京に出てきたのはいつ頃ですか?
ひのもと先生 東京に出てきたのはデビュー直後です。
ちょうど専門学校の卒業と、まとまった額の賞金をもらえたことが重なり、えいっと上京しました。
中学3年の時に、投稿して5000円をもらったのがきっかけで、まんが家は描けば本当にお金をもらえるものなのだということを認識しました。地方だと身近にいないのですから、とても驚きました。それで、やってみようと投稿や持ち込みをしていました。それで何とかまんがで食べられるようになりました。私としては、マンガを描き続けてお金をもらえなくなったら漫画家をやめよう、と思って描き続けています。おかげさまで、今のところまだお金をもらえているので、描き続けているわけです。(笑)
IPP 管 2000年すぎるとデジタル化の波が押し寄せてきて先輩の先生方と出版社との状況が大きく変わってきた時代だと思います。
その点についてはどのようにとらえていますか?
ひのもと先生 私がまんが家デビューした頃がまさにデジタルとアナログの分かれ目の時代だったと思います。作画法もですが、編集さんとのやり取りもデジタルとアナログが混在している初期でこんな感じでした。
おもにネーム(絵コンテ)の送付方法なんですが…。
・投稿作家
 デビュー前のアマチュア作家の状態。いわゆる担当付き。郵送のみで受付。1回のやりとりに1週間。
・読み切り作家
 掲載という実績ができて、FAXで時間差なく送ることができる。
・連載作家
 当時FAXが主流だったが、ネームにデータ添付でさらに時間差なく送ることができる。
IPP 管 へ~、面白い暗黙のルールというか基準が出来上がっていたんですね~
ひのもと先生 編集部もメールアドレスというものを使いこなせていない時期だったので、キャパシティや処理手順的にそうなってたみたいです。「ネームをメールで送った」という作家仲間の話に「やったじゃん!」みたいな。今思うとなんのこっちゃなんですが。(笑)
不思議な過渡期という感じでした。ほんの一時期なので、これが全体でもあったのか、私にも確認しようがないのですが…。(笑)

今はすべてメールですが、便利ですよね。
先日は、自宅の作業場じゃなく、移動先の実家でスキャンして、さらにそこからシンガポールに移動しながら板タブで仕上げ作業をして、ホテルの一室からLINEで納品とかして、時代が変わってる!と感動しました。

IPP 管 デジタル化の波を感じているわけですね?
ひのもと先生 女性作家の方がデジタル化に移行している先生が多いと思いますね。男性作家さんに多いと思うんですが、作業効率がデジタル化で高まり、アシスタントさんがいらなくなったりするので、たくさんアシスタントさんを雇っている先生は辞めさせなくてはならなくなったりして大変だな、と思います。
技術の変化で制作体制も大きく変わってきていると思います。
IPP 管 デジタル出版と紙の出版はどちらが多いですか?
ひのもと先生 私は、TL(ティーンズラブ)中心で作品を描いています、電子配信が基本なのでデジタルですね。
ここ2,3年前のTLの傾向としては売れた作品が書籍化していて、私もその流れに乗れてほっとしています。
IPP 管 デジタル化が進みAmazonがここ15年でシュアを大きく取り始めています。Amazon売り上げと書店売り上げが50%:50%の時代になって無視ができなくなりましたが、先生はどうお考えですか?
ひのもと先生 そうみたいですね。しかし、作家によると思いますが、私は好きなマンガを描きたいし専門分野外は誰かに任せたいので配信会社と直でやるのが面倒くさいです。契約の事もですが、サイズだの、写植だの編集作業も増えるので、そのあたりは「マンガぷらっと」さんで是非、お願いします。(笑)
IPP 管 はい、かしこまりました!!(~_~;)
IPP 管 マンガジャパンとのかかわりについて教えてください。
ひのもと先生 2015年春からの参加ですね。会員になったいきさつは契約問題の相談をしたのがきっかけでした。
権利関係についてネット検索や本で自力で勉強してもわからないことが多く、SNSでぼやいていたところを当時の事務員さんが声をかけてくれました。 簡単な法律相談や、色々と経験されてきた先輩の先生方にアドバイスも貰えます。その件ともう1件相談して、弁護士などに依頼せず自力で解決することができました。
IPP 管 事務局での定例会には積極的に参加しているようですが
ひのもと先生 会議は、いち作家がなかなか知ることのできない出版界を取り巻く問題のことを聞けて、とても勉強になります。表現規制や海外のこと、最近ではダウンロード法案などありました。そのあとの飲み会は九州出身でお酒が大好きなので大変楽しいです。(笑)
IPP 管 Keywordは、酒なんですね。(笑)私は、酒が飲めないので結構しんどいですよ!(笑)
IPP 管 昨年のアジアMANGAサミット北九州大会は大変だったと聞いていますが・・いかがでしたか?
ひのもと先生 企画プロデューサーみたいなところまでサポートしていました。とても大変でした。自分が九州福岡出身ということもあり、地元意識もあって積極的にお手伝いをさせていただきました。
前回のサミット・鳥取大会の資料やその間の海外開催の資料もあまり無かったのでほんと、どたばたでした。
調べていく中で、マンガジャパンの活動について触れることがあったのですが、チャリティが基本軸にあり、それが大きな割合を占めていることを知って、じゃあ、もっと大々的にやろう!と、限られたリソースの中、色紙やグッズ販売・トークショーをやりました。先生方の大きな協力のおかげでたくさんのお金が集まり、被災地等への寄付ができたので、とてもよかったですし、良い経験になりました。
IPP 管 マンガジャパンの会員になってよかった点は?
ひのもと先生 気さくにお酒が飲めるっていう点ですね。
IPP 管 そこかい!!!(爆笑)
ひのもと先生 もちろんほかにもあります(笑)。相談や出版界のことが聞けるということもいいんですが、たまに酔うとみんなが絵を描き始めるんです。自分の親より年上の皆さんが。それで、すごく絵が上手いんです。この腕一本でやってきたんだっていう一流職人たちの中にいるということに感動することがあって、それは何にも代えがたい至福の時です。
IPP 管 マンガぷらっとの取組についてのご意見をいただけますか?
ひのもと先生 私たち作家のめんどくさくてやりたがらないところをフォローしていただけるのは大変ありがたいなと思いますね。
例えば、私はこの金額以下だと暇でもやらないという基準だけで仕事をお受けしているんですが、なかなかわからない金額の相場やルールがあると思います。先生方の中ではボランティア的に・無料で受けてしまうケースもあるので、そういうのを基準化してほしいというのはあります。お金の話をするのが苦手なのが作家なので、「マンガぷらっとさんに頼めば、ちゃんとしてくれる」みたいな存在になってもらえると嬉しいです。
IPP 管 先生はイベント出演もたまにされていますね。
ひのもと先生 これは、高知県がやっている「まんが甲子園」に学生の頃に出場し、そのつながりが多いのですが、出演だと特別な基準がないし、業界基準があるのかないのかも知らないので、さぁ出てくれ!と頼まれるとわからないですね。
IPP 管 では、実質いくらから講演は受けていただけるのですか?
ひのもと先生 さすがに、ここで言うのはできないので後程ということで・・。(笑)
IPP 管 最後になりますが今後、やりたい作品とテーマはどんなことですか?
ひのもと先生 基本的には、なんでもトライはしたいのですが、今一番強く思っているのは自分が「小麦アレルギー」なんです。5年ほど前に突然発症したのですが、本当に細かくて、パンや麺はもちろん、日本食の多くに使われる醤油、雑穀の醸造酢が入っているケチャップもダメです。いわゆるグルテンフリー(小麦に含まれるアレルゲン「グルテン」を含まない食品)の食品しか口にできないので、日常生活、特に外食は困っています。
ひのもと先生 いま、やりたいのはこのグリテンフリーをテーマにしたマンガ作品を作りたいです。
過酷なグルテンフリーをどう楽しんでいるのか?ということを描きたいです。大人になって花粉症を発症する人がいると思いますが、私の場合はそれがたまたま重度の小麦だっただけで、全ての人が持っている問題だと思っています。
また、インバウンドや海外客が叫ばれていますが、海外でグルテンフリーって当たり前だったりするんです。体に負担をかけない食事としてのとらえ方ですね。そういう新しい食の提案としても楽しめる題材だと思っています。

興味を持っていただける企業さんがありましたら、描かせてください。マンガぷらっとさん経由でよろしくお願いします!
IPP 管 最後に宣伝までしていただきありがとうございました。 これからもよろしくお願いいたします。